ブレーカーの役割について
ブレーカーは簡単に書くと電気を遮断する装置のことです。
最寄りの地域の電力会社と需要家との間で契約されたアンペア値を超える電流が流れた場合に電気の供給を自動で止めてくれる機能を担っています。このブレーカーは主に3種類あり、左からアンペアプレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカーがあります。
左の部分に該当する一番大きなアンペアブレーカーが落ちてしまう要素は、まずは一度に家電を使いすぎたために契約アンペア数を超えてしまったケースが多いです。
このタイプの部分が落ちることで、家全体の電気がつかなくなってしまうため元に戻さなければなりません。
とはいえ、復旧方法は落ちてしまったブレーカーを上げるだけで大丈夫です。
ただ、電化製品は安全を期すためにスイッチを切っておいたほうが良いといえます。
漏電ブレーカーは中央部分にあります。
漏電事故を防止する機能を担っているため、重要です。
これが落ちた場合も家全体が停電しますが、アンペアブレーカーと違ってこちらの場合は漏電のおそれがあるために復旧作業を安易に行うことは危険となります。
電力会社などに連絡して、点検や復旧を依頼しておいたほうがスムーズです。
従来のブレーカーは熱動式と呼ばれている形式を採用している
右の最も数が多い安全ブレーカーのほうは、よく見ると「玄関、台所」・「洗面所、浴室」などのように、分電盤からそれぞれの回路へと電気を送るための役割を果たしています。
一時的に使える電気の容量を超えた場合に落ちてしまいます。
家全体ではなく、部分的に天気が付かなくなるため停電してもさほど影響はありません。
アンペアブレーカーと同様に、復旧するには電気がつかなくなった部分に該当するブレーカーを上げていくだけです。
従来のブレーカーは熱動式と呼ばれている形式を採用しているのが特徴です。
これは二種類の金属を張り合わせたバイメタルという合金を使用しており、金属に電気が流れることで発生する熱でバイメタルが湾曲することで電気が遮断される仕組みとなります。
つまり、通常のブレーカーは実際に流れている電流を測定しているわけではないということになります。
家庭用のものは、すべて従来の形式のものを採用していますが最近商業施設・商店・工場などで使われているのが電子ブレーカーと呼ばれているものです。
特徴は、名前の通りデジタル式にマイコンで電流遮断を制御するタイプであり遮断する電流値と時間が正確であることから人気があります。
導入することによって、電気コスト削減が出来るようになり電気代が安くなることから多くの場所で導入されています。
電子ブレーカーはどういったところで使用されているか?
主に使われるのは、低圧電力と呼ばれているエレベーターやモーターなどといった動力に使用される電力です。
契約している電力が原則として50KW未満に該当する場合においては、この低圧電力契約になっています。
電子ブレーカーは動力200Vに該当する低圧電力に使用されるものとなっており、高圧電力の需給施設や一般家庭に使用されることについてはありません。
メリットとしては、一般のものよりも一定の時間以内ならばより多くの電流を流せるということがいえる点です。
例としては、短時間でON/OFFを繰り返す性質をもつなどの負荷変動が大きい機器の場合には、一時的に定格電流を超えても短い時間で定格電流以下に戻るために、電気が落ちなくて済むようになります。
こうした設備はエレベーターなどが該当します。
電子ブレーカーが登場したことによって、施設や店舗側などは安全に契約容量を切り替えることで電気基本料金を大幅に安くできるようになりました。
しかし、施設・企業側などで導入するにあたっては注意点もあります。
まずは電力の契約容量であり、契約状況・機械の稼動状況・電気の使用状況など電力の使用量は契約者によって異なるため安全な容量は緻密な調査と綿密なデータに裏づけされた経験・知識などによって決めておくようにすることが大切といえるでしょう。
電子ブレーカーによる詐欺事件も・・・
最近では、電子ブレーカーによる詐欺事件もありました。
リース契約と申告せずに契約を勧めてきたり、電子ブレーカー導入後に頻繁にブレーカーが落ちてしまったという事例もいくつか報告されています。
電子ブレーカーはリースなどで借りることができますが、このリース期間満了が近づくと、あらゆる理由をつけて買い替え営業を行なう会社も存在しています。
安易に近づくと、思わぬトラブルになることもありますので気を付けるようにしましょう。
メーカーが定める対応年数を経過するまでは、消耗・劣化を観察しながら判断することも必要なときがあることを覚えるようにします。
耐用年数は10年から15年程度であれば使用に耐えられるといわれています。
かなり長持ちする機器であることはいえますので、煽るような宣伝文句を言いながら買い替えを勧めるならば注意するようにしましょう。
このタイプのブレーカーは、JIS工業規格に基づいて製造されるために商品の品質に差は生じるものの機能に差が生じることはないので選定の際には正規のメーカー保証をつけている業者を選ぶことが安全です。
最終更新日 2025年7月2日 by okazus